本文へスキップ

御所市の眼科クリニック  日帰り白内障手術

ご予約・お問い合わせ

0745-44-3767

WEB予約

コラムaccess

白内障と緑内障について

2023.07.05
 白内障と緑内障は何が違うのでしょうか?ときかれることがあります。外界からの光は眼球の角膜、水晶体、硝子体を通って網膜に届きます。網膜の視細胞で光を受け取った後は、神経の電気シグナルに変換されて脳に送られることにより、ものを見ることが可能になります。白内障とはこの眼球の中にある水晶体(レンズ)が濁る状態を指します。外界からの光が濁った水晶体に遮られ目の奥の網膜に届きづらくなることで、霞んで見えたり(霧視)、まぶしく見える(羞明)症状などを自覚するようになります。
 欧米や日本など先進国では濁った水晶体を人工の眼内レンズで置換する手術が広く普及して久しく、今日の日本において白内障で失明する患者さんはとても少なくなりました。しかし、白内障は長く治療せず放置することで進行し重症化してしまえば失明に至る病気であることには変わりありません。実際、医療を受けることの出来ない発展途上国を含めた世界全体においては今でも主要な失明原因となる重大な疾患です。自覚症状が辛くても辛くなくても強すぎる白内障混濁をずっとそのままにしていたという方もまれにおられますが、放置しすぎると水晶体が混濁し厚くなり過ぎたために眼球内の圧力(眼圧)が急上昇して激烈な痛みを伴う発作を起こし、神経細胞が死滅して視力が不可逆的に低下してしまい元に戻らなくなることもあります。
 手術を急ぐ必要はありませんが現在の白内障の混濁程度や視力がどれくらいなのかをお伝えし適切な手術時期について相談することができますので、自覚症状があるようなら眼科への受診をお勧めいたします。

 さて、一方で緑内障は我が国における中途失明原因の第1位を占め、社会的損失が著しい疾患であり続けています。緑内障では眼圧によって網膜の神経が障害されて死滅してしまいます。しばらくの間は視力も正常ですが、自分では気づかない内に徐々に見える範囲(視野)が狭くなり、末期に至るとついに視力も下がって見えなくなってしまいます。
 このように失明しないためには、眼圧から網膜の神経を生涯に渡って出来る限り保護し視野を守ることが大切となります。まずは眼圧を下げる点眼による治療を行いますが、眼圧の下降が不十分であれば手術によってさらに眼圧を下げる治療が必要になる場合があります。この眼圧下降治療こそが現在唯一確実なエビデンスのある(科学的根拠のある)治療です。眼圧以外の緑内障進行因子に対する新たな治療法として血流改善治療や神経保護治療が試みられており将来的に革新的な治療法となる可能性はありますが現段階においては信頼性の高いエビデンスはないのが現状です(緑内障診療ガイドライン第5版)。
 現在の医学では一度死滅してしまった神経細胞を回復させる治療はありません。いったん失われた視野や視力が元に戻ることはない不可逆的な病気です。眼圧を下げることにより視野障害の進行を可能な限り遅くし生涯失明しないように、そして視覚の質(Quality of vision: QOV)と生活の質(Quality of life: QOL)を保つことが治療目標となります。それゆえに緑内障を放置せず、できる限り早期に発見し、早期に治療を行うことが重要です。私たち眼科医による治療よりもむしろ、早期に発見できたという時間的なアドバンテージが何よりも功を奏することが少なくありません。
 緑内障を早期に発見するためには眼底写真撮影を含めた検診を受けることをお勧めします。緑内障は末期に至るまでは「自分では気づかない内に進行し」、「自覚症状が乏しい」という性格を持つためです。眼底写真の撮影により、神経障害の変化を捉えることができ緑内障を発見することが可能となります。また緑内障は40歳以上の日本人における有病率が5.0 %(多治見スタディ)、およそ20人にひとり、と大変頻度が高い疾患であるという点にも注意しなくてはなりません。国内の推定患者数は465万人にも上り、決して他人事ではなく、珍しい病気でもありません。



コラム

送迎案内
グリーンスウォード グループ

0745-44-3767

WEB予約